Vol.46 10月 尚次郎の子育てコラム

○ 10 月コラム
今日は「人の心のいたみや悲しみを感じる心を育てる」という題でお話したいと思います。
今の子どもたちは、人のいたみや悲しみが感じることができず、少年のいじめや犯罪が増えているこ
とはご周知のことと思います。そこで、学校でも社会でも、人権教育の重要性が言われていることも事
実です。
親なら誰しも、わが子が、人のいたみや悲しみを感じることのできる、心優しい子になってほしいと
思うことでしょう。
「人の心のいたみや悲しみを感じる」
これは理屈ではなくて、感覚の問題だと思います。
家族や友達が涙を流すのを見て心が痛くなる。
親の悲しい顔をみて、自分も悲しくなる。
前回のコラムにのせたある6年生の男の子のような心です。
他人のつらさや悲しさを感じることができれば、
いじめや犯罪を起こすことも限りなくなくなっていくでしょう。
では、そのような心を育てるには・・・
これは理屈ではなく、感覚の問題だと思います。
そして、その感覚はそのものと直接ふれあうことで育っていくのです。
例えば、
色彩感覚は、色とのふれあいで育っていきます。
色は、暮らしの中に多くあります。つまり環境で色彩感覚は育つのです。
国や文化の違いによって育つ子どもたちの色彩感覚に違いがでるのはそのためです。
では人権感覚は・・・
人権感覚は、人と人のふれあいの中で、よくも悪くも育っていくのです。
つまり、学校の先生や友達、そして家族のふれあいの中、育っていくのです。
その中でも、親の存在は大きいものです。
親が、わが子を幼いうちから「一つの人格をもった人」として、わが子を受け入れ、愛することで
子どもの人を大切にする感覚も育つのです。
そしてもう一つ
人の心を感じることができるためには
その感じる心をもたなくてはいけません。
それは、心がふるえることができるかどうかです。
「心がふるえる」
それはうれしいことだけではありません。
悲しいことつらいとほど心がふるえます。
ときにはあまりにもつらくて涙があふれることもあるでしょう。
それは心が大いにふるえているからです。
その心はすでに感じる心になっているのです。
以上2つのことをお話してきました。
子どもの心を育てる、それは感覚を育てること
そのためには、日ごろ親が子どもたちにどのような心で接しているか
親としてわが子をこよなく愛する心で接していれば
きっと子どもたちにも人を愛する心が育ちます。
そして、心ふるえる経験をどれだけするか。
うれしいこと、つらいこと悲しいことをどれだけ経験しているか
それが感じる心を育てていくのです。
よく「この子は親の心をわかっているのか。」とは「いつになったらわかってくれるのか。」
といった言葉を聞きます。
しかしその前に
「親として子どもの心をわかっているかどうか。」
親として自分の子を想う感覚や心のふるえを問い、自分自身の人を想う感覚を磨いていくことで
子どもの心の感覚も育っていくのではないでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
尚次郎

Vol.46 10月 尚次郎の子育てコラム