Vol.26 2月 尚次郎の子育てコラム

2 月

今回は「心のペットボトル」という題でお話ししたいと思います。

学校には多くの子どもたちがいて、当然ですが、それぞれ性格も違えば生活している環境も違います。

しかし多くの学校では、同じようなルールに当てはめて、そこからはみ出す子、それに耐えられない

子をいわゆる「問題児」として扱っている現状があります。

多くの子が、学習や遊びなどにいそしみ、学校生活を幸せに過ごしていくためには、最低限のルール

は必要です。

しかし、「勉強がわからない。」や「友達とうまく付き合うことができない。」などの問題を抱えた子

は多くいて、その度合いも人それぞれです。(これは当然大人の世界でも言えることですが・・・)

そして、この問題は子どもにとっては(大人にとってもですが)ストレスになります。

このストレスに対する適応能力を「ストレス耐性」というのですが、子育てや教育で大切なことは、こ

の子がどれぐらいのストレス耐性をもっているかを見極めることなのです。

ストレス耐性は、わかりやすくいうと「心のペットボトル」と思ってください。

この「心のペットボトル」の容量は、人によって違いますし、同じ人でも時と場合によって変わります。

例えば兄弟でも、お兄ちゃんのAくんは、2リットルのペットボトルで、弟のBくんは500ミリリ

ットルだったとします。

この容量の違いが、ストレスに対する耐性の度合いになってくるのです。

同じような困難に出会ったとき、当然お兄ちゃんのAくんの方が受け入れが大きい分耐えられるのです。

ストレスが自分の保有限度を超えた時、問題行動に出たり、不登校になったりするのです。

では問題行動を起こしたり、または学校に行きたくないなど不登校にならないようにするにはどうすれ

ばいいか?

それは次の3つのことが考えられます。

1 ストレスの保有限度をあげること(つまり心のペットボトルを大きくしてあげる)

2 ストレスの逃げ道をつくってあげる(心のペットボトルにぬき穴をつくってあげる)

3 ストレスがたまらないようにする(心のペットボトルから中味をぬきとってあげる)

2と3は、遊びや余暇などでできることでしょう。

この中で、1のストレスの保有限度をあげるにはどうすればいいか?

それは、問題を避けないで乗り越えていくことです。身体の筋肉も負荷が大きければ大きいほど鍛えら

れ、強靭な身体をつくることができます。

ゲームでも強いモンスターを倒せば倒すほど、主人公の力は強くなっていきます。

ということは、人生における問題は、自分を強くし心の余裕を広げていくれるものなのですね。

しかし、悩んでいるときに「強くなれ」「負けるな」「逃げるな」なんていっても、それは子どもを追い

詰めるだけで、心のペットボトルを大きくすることにはなりません。

大切なことは、普段の生活の中で、「どれだけ子どもに自信をつけてあげられるか!」です。

子どもが「やればできる」「誰かが見守ってくれている」「夢や目標がある」など、自尊感情(自分を大

切だと思う気持ち、自分も可能性をもっているという気持ち)の高い子どもは、困難にぶち当たっても

それを乗り越えて、さらに強い人になっていきます。

その自尊感情はいつごろから芽生え始めるのか・・・。

実は、生まれたその時から芽生え始めるのです。

生まれたとき、親の腕に抱かれたときの温かさは、子どもの潜在意識の中にしっかりと記憶されていま

す。つらかったとき、親に抱きしめられて「大丈夫。大丈夫。」と慰めてもらった記憶も残っています。

その安心感や親子間で築かれた心の絆が、困難を乗り越えていくための大切な力になっているのです。

子どもへの愛情は、お金や高価なものなどではありません。

抱きしめてあげるその行為こそが最高の愛情なのです。

子どもががんばった時、悲しみにくれた時ぜひ抱きしめてあげてください。

それが、子どもの心のペットボトルを大きくし、自立した強い子どもへと成長させていきますよ。

最後までお読みいただきありがとうございました。

尚次郎

Vol.26 2月 尚次郎の子育てコラム