Vol.28 4 月尚次郎の子育てコラム

○ 4 月尚次郎子育てコラム
今回は「子どもの愛情力を育む②~愛情の育み方~」というテーマでお話していきます。
前回は、「愛とは、愛情とは」というお話をしましたが。今回は、「では、そのような愛情を育むに
はどうすればいいか。」についてお話します。
愛情ある行動は、一般的に「愛他的行動」ともいわれます。
「愛他的行動」とは、相手の表情やしぐさ、言葉から、その気持ちや感情あるいは意図を察し、見返
りなどは期待せず、自ら進んで相手のためになる行動をとることをいいます。
このような愛情や愛情ある行動は、少し難しい話になりますが、脳の中の前頭連合野という部分が活
性化することで育まれます。
では、愛情を育む、つまり脳の前頭連合野を発達させ、活性化するにはどうすればいいか・・・。
○愛情力を育むにはミラーニューロンを刺激する
子どもが、周りの人を理解し、愛着や愛情を育むには、まず、親や友達など、その人の心に共感でき
るようにすることが大切です。その共感はミラーニューロンとよばれる神経回路が発達することで、育
っていくといわれています。
このミラーニューロンの働きにより、子どもは人を理解し、愛着、友情、そして愛情を感じることが
できるようになります。そして、他人の気持ちを理解し、愛することと同時に人から愛される感覚を子
どもに実感させることができるのです。
この感覚、愛情力(共感力)は段階を経て育っていきます。
第1の段階は0歳から1歳まで、自分と他人を区分できない時期です。この時期は、となりで泣いて
いる子がいたら、自分も泣き出すような感情の共鳴がおきます。
第2の段階は1歳から2歳まで、自分と他人を区分し始める時期です。他人の気持ちを自分の気持ち
と思って行動します。例えば、となりの子が泣いていたら、その子の母親を呼びに行くのではなく、自
分の母親を呼びにいくような行動をとったりします。
第3の段階は2歳から3歳まで、自分と他人は別々の考えや感情をもつと考えている時期です。この
時期、他人の立場にたって想像していくことができるようになります。例えば、となりで泣いている子
がいたら
その子が気に入っているおもちゃをもってきてあげて、泣き止ませようとするような行動をとったり
します。
第4の段階は小学校高学年、自分も他人も特定の状況においてさまざまな考えや感情をもつことに気
づく時期です。例えば、となりで泣いている子どもだけでなく、ニュースなどで見た貧困にあえぐ子ど
もの様子を見て共感できるようになり、募金活動をして援助しようというような行動をとったりします。
このように子どもの愛情力(共感力)は、他者への気づきや他者への関心を高めていくことで高める
ことができます。
そこで幼いうちから、「お母さんはこんな気持ちよ。」とお母さんの気持ちをしっかり伝えていくこと
で、他者への関心が高まり、他者の気持ちに気づくことができるようになります。
○目を見て話すと愛情力が高まる
最近は、人とコミュニケーションをとるときに、パソコンやスマホの画面を見てコミュニケーション
をとる子どもが多く見受けられます。
しかし、パソコンやスマホでは相手の表情や目の動き、声の調子や態度、雰囲気など直接感じ取るこ
とができません。それでは、本当に相手の心の内を理解することができるのでしょうか。
愛情力を育むミラーニューロンも、相手の目を見て話したり、聞いたりすることで活性化するといわ
れます。
「お母さんが赤ちゃんの目を見ながら話しかける。」
これは子どもの愛情力(共感力)といった相手の気持ちを思いやることに大切なのです。
食事や家族団らんのときには、家族でお互いが目を見合いながら話すという機会は、努めてつくって
いくことが必要ですね。
そうやって子どもの愛情力は育まれていくのですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
尚次郎

Vol.28 4 月尚次郎の子育てコラム