旧暦のお正月を迎え、梅のつぼみもほころび始め、寒い中にも春の訪れを感じさせます。
さて今週は「自尊感情を高める①~いいとこ見つけの習慣化~」という題でお話をしたいと思います。
昔から「いじめ」や「非行」といった子どもの歪んだ行為が問題になっています。
その原因の一つに「自尊感情(セルフエスティーム)の低下」があるのではないでしょうか。
自尊感情とは「自己肯定感」のことで、自分自身を好きだと思えること、自分は大切な存在、自分はやればできる(可能性がある)と思えることです。
最近の子どもたちはこの自尊感情が低下していると言われます。私も多くの子どもたちに接してきてそのように感じることが多々あります。
では、その自尊感情が低下しているのはなぜか?
私はその一つに日本の教育にも原因があると思います。それは「間違い探しの教育」
テストが採点されたものを返してもらうとき、先生は何と言うでしょう。
おそらく、このように言っている先生が多いのではと思います。
「間違いをチェックしてやり直しをしなさい。できたらもってきなさい。」
子どもは○よりも先にまず×を見つけます。そして、そのやり直しをします。
まず真っ先に見るところが点数であり、×なのです。
自分のできていないところ、悪いところを真っ先に見つける。これが習慣化しているのではないでしょうか。
親であるみなさんも、思い当るところがあるかもしれません。
鏡を見て、「あーしわが増えた。」「シミがふえたなあ。」
と自分の悪いところをすぐに見つけてしまう。
お子さんに対してもそうではないでしょうか。
学校から持ち帰ったテストを見て、60点だったとすると、
どこが間違っているのか即座に探し、
「もっとがんばって100点めざそうね。しっかりやり直しをしておくのよ。」
こんな会話が多いのではないでしょうか。
子どもは○を見てほしいものです。でも、親はどうしても子どもの悪いところが目についてしまうものです。それならば、学校の先生は、答案用紙に○は大きく、×はわかる程度に小さく書いてあげればいいのにと思ったりもします。
このようなことが習慣になって、子ども自身も自分ができないところだけを見つめていくようになるのではないでしょうか。
せめて、ご家庭では「間違い探しの教育」から「いいとこ見つけの教育」に転換してみてはいかがでしょうか。
テストの答案に○が一つでも「うわー○もらってるね。これはよくがんばったね。」と言ってみて下さい。たとえ○がなくても「名前はしっかり書けている。名前、はなまるね。」と名前にはなまるを書いてあげてください。きっと次のテストでは○が一つ増えていくことでしょう。
そして、子どもへの、この見方が、子ども自身に「自分もやればできるかも。」「ぼくもいいところをもっている。」といった自尊感情を高めるきっかけができるのではないでしょうか。
是非、みなさん自身もご自身の顔を鏡で見た時、自分の素敵なところを探してみて下さい。
「今日のわたし眼が透き通っている。素敵!」
そして自分の好きなところを思い出す限り書き出してみてください。
きっと書いているあなたの顔は「にっこり笑顔」になっているはずですよ。
次回は「自尊感情を高める②~子どもを包み込む方法~」についてお話しします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
尚次郎