○ 4月10日 尚次郎の子育てコラム
4月、新しい年度を迎え、多くの方が新たな気持ちで新天地で頑張られていることと思います。
さて、4月は「子どもの愛情力を育む」という話題についてお話していきたいと思います。
今日は「子どもの愛情力を育む①~愛とは、子どもの愛情の芽とは~」というテーマでお話していきます。
「愛情」や「愛してる」などという言葉は、月並みでよく聞き、よく使っている言葉ではありますが、本当のその意味については、知らないという人も多いようです。
その解釈については諸説がありますが・・・。
「愛情」とは、人と人との関係の中でお互いが相手を受け入れて、一緒にいたいと願う気持ちとともに、相手に対する深い共感と同情の気持ちを伴った感情といわれています。
つまり「人を愛する」とは「許し、受け入れ、認め、そして信じること」ではないかと思います。
恋愛では、「恋は長続きしないが、愛は永遠である」とよく言われます。これは、恋は2人の気持ちや関係が必要条件であるのに対し、愛は自分次第だからなのです。
「私は彼(わが子)を愛しています。」というならば「彼(わが子)のどのような考えや行動も受け入れていくこと。そして自分の身や心が犠牲になっても、彼(わが子)のためなら命をも投げさせる」
ちょっと極端かもしれませんが、相手を愛するということには「自分の都合や利益は関わらない」ということなのです。
「親の愛情」といいますが「親の恋心」とはいいませんね。親はわが子に対して自分の身を切ってでも、元気で長生きしてほしいと思うもの。
例えば「自分が食べることができなくても、わが子だけには食べさせる。」ということは、お子様をお持ちの親御さんなら納得していただけると思います。
まとめると「人(家族、夫、妻、子、彼、彼女、友人など)を愛するとは、自らの身を切るほどに相手を想い、お互いを大切にすることを意味しています。
最近、この「お互いを大切に想う気持ち」が薄れてきて、自分本位の我のための行動をとる人が多いように思えます。ニュースで話題になる犯罪でもそのようなことがいえます。
では、子どもに「人を愛する気持ち」「愛情」はどのように育っていくのか・・・。
◎ 母親への愛着が人への愛情へと育つ
ごく当たり前と思えるかもしれませんが、これが最も大切なことかもしれませんね。生まれてきて初めて会う人が「母親」です。人間関係の始まりといっていいでしょう。乳児は母親に対して愛着行動をとります。しがみつき、後追い、ほほえみ、泣きなどの行動です。
生後半年ぐらいから幼稚園や保育園に入る2~3歳ぐらいいなると、明確な愛着行動が見られ、子どもはいつも母親といっしょにいたがったり、母親が見えなくなると不安な表情を見せたり、泣きわめいたり、抵抗したりと反応を示します。
よく乳幼児で、母親が目の前からいなくなると、それまで笑って遊んでいた子どもが、とたんに「泣きわめく」というようなことに遭遇した方も多いと思います。
これは、母親への愛着行動なのです。母親の愛情の形成が不十分であったり、母親をイメージする認知能力が育っていないときは、このような行動があらわれます。
そんなときしっかり抱きしめてあげ、「これはお母さんよ~。」と言いながら、母親を感じるもの(グッズ、お弁当など)を持たせてあげることで、子どもは母親をイメージして乗り越えていこうとします。中には、部屋の中に母親の写真を掲げているという人もいるようです。
そして母親に対する愛着関係ができれば、子どもにとって母親が心の安全地帯になるのです。
そうなれば、母親が自分の目の前にいなくなっても、子どもは自分の背中に母親を感じながら、安心して外の世界へと出ていくことができるのです。
この母親への愛着が「愛情」の種なのです。これがやがては父親や兄弟姉妹、さらには身近な人や仲間への愛情に育ち、ひいては子どもの「対人関係力」に育っていくのです。
このように考えると、生まれてから3、4歳までの間に、母親との愛着関係をどのようにつくるかが、その子の将来の「愛し愛され」をつくっていく鍵になることはわかりますね。
そこで次回は、その時期にどのように母親との愛着関係をつくっていくかについてお話していきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
尚次郎
尚次郎