○ 8月15日 尚次郎の子育てコラム
8月も半ば、夏休みも残り少なくなってきました。
さて、前回まで「子どもの愛情力を育む」という話題についてお話しています。
今日は「子どもの愛情力を育む⑤~笑顔の効能~」というテーマでお話していきます。
赤ちゃんの笑顔は、よく「天使の微笑み」と言われるます。
逆に、無表情で目の輝きもなく、笑いも泣きもしない赤ちゃんのことを「サイレントベビー」と言われます。
どんなにあやしても笑わず、視線さえ合わせることが難しい。
このような赤ちゃんは、その後の成長、例えば身長や体重などの身体の発育も芳しくない傾向があります。
これは、親などの身近な人との愛情的な関係がないことから現れてきます。
通常、赤ちゃんは生後2~3か月ほど経つと自然に笑顔を見せるようになります。これが、「エンゼルスマイル=天使の微笑」と言われるものです。
このエンゼルスマイルは、周囲の人たちの顔も自然にほころばせ、笑顔にしていきます。まるで魔法の笑顔なのです。
そして、この赤ちゃんの微笑に対して、最もそれに反応して微笑み返してくれた人に「愛着」を示すようになります。
「笑顔」は「あいさつ」と同じように人を呼びよせ、人と人を結び、人との関係をつくっていく力をもっているのです。
それだけではありません。近年の研究では、笑うこと、つまり笑顔は身体の免疫力さえも高めてくれることがわかってきました。
面白くなくても、笑顔をつくるだけで、身体や脳の調子が高まり、調整されるのです。
エンゼルスマイルは、赤ちゃんの「快」の状態を素直に表す微笑です。その表情は無条件な笑いですから左右対称です。満面の笑みともいうべきでしょうか・・・。
これは赤ちゃんだけでなく、子どもから大人まで心の底から笑っているときの表情は左右対称なのです。これは、脳の中の「大脳辺縁系」という古い脳から出る笑いだからなのです。
脳は脳幹から大脳辺縁系、そしてその周りを大脳皮質が覆っています。大脳辺縁系は「快・不快・怒り・恐れ」などの情動行動、そして食欲や性欲などの本能行動に深く関わります。
エンゼルスマイルは大脳辺縁系が快の刺激を受けて自然と出る笑いなのです。
そこに脳の新しい部分「大脳皮質」が関わってくると、「冷やかしの笑い」や「含み笑い」「苦笑い」といった笑いになってきます。
これは、笑っているけれども、どこか笑ってない。
口はわらっているけど、眼が笑ってない。
こんな顔を見た経験はありませんか?
そんな笑いは左右が対称になっていないのです。
できるだけ心の底から笑えること、そして素直な微笑をつくることができれば、生きる力(本能、愛)にかかわる大脳辺縁系を活性化し、愛情を高めます。
さらに、免疫力も高め、気分をリラックスさせてくれる効果をもつのです。
そのためにも、エンゼルスマイル(左右対称の心からの微笑)を大切にし、子どもの微笑には親もエンゼルスマイルで返してあげましょう。
また、エンゼルスマイルは、他の人からも好まれる魅力をもっています。他の人から好かれる要素をもっているということです。
エンゼルスマイルで、心と身体のバランスを整え、愛情を育みましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
尚次郎