○ 8月 尚次郎の子育てコラム
今月は「自尊感情を高める親の接し方③~子どもに委ねる~」についてお話していきます。
最近、子どもたちだけでなく、若い世代は「指示待ち人間」の傾向があると言われています。また、他人とコミュニケーションを取ることが苦手な人も多いとも言われています。
これは、幼いころから自分の意思表現をする機会が少ないということが一つの原因でしょう。
「これを着なさい。」「これをやってごらん。」「ハンカチもってティッシュももって。」「9時になったら寝るのよ。」「靴下はこれをはいて、シャツはこれを着て。」・・・・
一日のうちで子どもが選択し決定する機会を、実は大半を親が選択し。決定して与えているということがないでしょうか。
つまずいて転んだ時「いたかったね。」「血が出ているね。」
子どもが意思表示する前から親が言ってあげている・・・。
子どもが自分の思いを表現する機会を、親が奪ってしまっているのです。
これは、自立の妨げになるばかりでなく、「自尊感情」を損ねてしまうことがあるのです。
「自分の思いや考えは聞いてもらえない。」
もちろん親はそんな気など全くないのかもしれません。でも、自己選択や自己決定をさせてもらえないということは
「実はぼくは、できない子。」「自分が言ったことは通らない。」
そして「どうせ、ぼくなんて・・・。」
といった考えが定着していくのです。
幼児期(3歳~6歳)ほど、自己選択・自己決定をさせていくことが実はその子の自立や自尊感情を芽生えさせるのにとっても大切なことなのです。
幼稚園に着ていく服(制服でなきとき)も、
「○○ちゃん、こっちとこっちどうちらがいい?」
「靴下はどっちにする?」
など、選択できるように、そして自分で決定したことを表現させることは、
「自分のことは自分で考え、決めていく。」「自分の考えを尊重してくれる=自尊」
といった思いを潜在的に芽生えさせていくのです。
そう考えると、小学生や中学生、特に思春期の子どもたちに対してでも、
「早く勉強しなさい。」「いつもまで遊んでいるの。」
といった言葉ではなく、
「今日は何時から宿題しようか?」「自由時間は何分する?」
など、これからの行動や時間の使い方などを子どもに委ねてあげることは、思春期の子どもたちにとっては必要なことなのです。
今日からでも、一日の行動について子どもに委ねてみてはいかがですか?
「子どもに委ねたら、きっと自分の都合のいいようにしか決めない。」
そういった声も聞こえてきそうです。しかし、それでいいのです。自分に都合のよいように生きていくことこそ、ストレスのない生き方でしょう。
小学生・中学生の子どもでも、親が思っている以上に、自分にとってどうすればいいか、どうしたらいいのかはわかっています。それがやれないのは、気持ちの問題なのです。
親は、子どもを信じて、その気持ちを挙げてあげることと、環境をつくってあげることに徹してみて下さい。
決して「させる」のではなく「自分からする」ようにもっていくことなのです。
きっと親も子どもも、ストレスが半減していくと思いますよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
尚次郎