Vol.36 12 月尚次郎の子育てコラム

○ 12 月尚次郎の子育てコラム
さて、今回も、「ほめることの効用」というお話をしたいと思います。
前回は、人間関係は、「信頼関係をつくるには」というお話をしました。
そこではまず、「ほめること」を上げてお話ししました。
では、ほめることでどんな効用があるのか。
①「快」感情をもたせやる気を出すことができる
②自尊感情を高めることができる
③人間関係がよくなる
今日は③の「人間関係をよくする上手なほめ方の2回目」です。
人はほめられると、「うれしい」つまり「快」の感情が生まれます。
「快」の感情を出させてくれる相手には、当然、好意をもちます。
ということは先週もお話ししました。
そこで、人間関係をよくしていく上手なほめ方の2つ目を紹介しましょう。
②「お母さんうれしい~感情移入型のほめ方~」
相手の気持ちを推し量る推量の力は、人間関係をよくするために大切な力です。
相手の気持ちがわからないために、なぜやったほうがいいのか、あるいはやらないほうがいいのか、
考えることができずに、平気で人を傷つけてしまうものです。
特に、子どもは経験の少なさから、なかなか相手の気持ちを推し量ることができません。
それは、自分のやった言動によって、相手がどんな気持ちになったのか、教えてあげていないからです。
これはほめ言葉でも同じことがいえます。
例えば、
A「漢字のテストで90点だったのね。すごいね、よくがんばったね。」
B「漢字のテストで90点だったのね、すごいね。よくがんばったね。お母さんあなたががんばってく
れたのがとってもうれしいなあ。」
と最後に、お母さんの感情が入ることで、
「ぼくが90点とったことで、お母さんも喜ばせることができた。」
という気持ちになり、
「よし次もがんばってお母さんを喜ばせよう。」
と、やる気をもつことができます。
人は自分のためよりも、人のため、特に大切な人、大好きな人のためにがんばれるものです。
ちょっと話が外れるかもしれませんが、戦時中、神風特攻隊で出陣していった若者たちも、自分のため
ではなく、多くが、親や兄弟、恋人、家族のためにと自分の身を犠牲にしても飛び立っていったそうで
す。これが自分のためだけだったら、おそらくそのような勇気はでなかったかもしれません。
「自分の言動によって、よくも悪くも人を喜ばせたり悲しませたりすることができる。」
これを知った子どもは、相手の気持ちを考える子に育ちます。
そして、自分の大切な人を喜ばせるために努力しようとします。
それが、前向きな努力への日常化につながっていくのです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
尚次郎

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