Vol.37 1月尚次郎の子育てコラム「やる気物質ドーパミンについて」

1月「やる気物質ドーパミンについて」
さて、今回はドーパミンについてお話ししたいと思います。
脳の中央の部分にドーパミンという神経伝達物質を放出する神経細胞があります。
人はおいしいものを食べた時や、楽しいことをした時など快楽を感じる時、脳の中では感情のシステ
ムが活性化されてドーパミンなどの物質が、前頭葉という脳内の部位を中心とする特定の回路を通じて
放出されます。
ドーパミンは、快楽を生み出す脳内物質ということで、これが出る量が多ければ多いほど人は喜びを感
じるのです。
例えば人がある行動をします。そこでドーパミンが出たとします。するとそのドーパミンが出る時に
やっていた行動が強化されるという仕組みになります。
これを「強化学習」というのですが、これが子どもの(大人もそうなのですが・・)学習においてと
ても大事になってきます。
脳は、強烈な感情のはたらきが起こると記憶への定着が強くなります。
「成功してうれしい!」と思うことでドーパミンが出ます。それを脳は、その行動を記憶して、その快
感を再現しようとします。
そうやって、ドーパミンを放出するような同じ行動を繰り返していると、
脳は「もっとその行動を繰り返せ、繰り返せ。」ということになって、
その行動自体がくせになりうまくできるようになるのです。
まとめると「①ある行動をする→②ドーパミンがでる→③その前にやっていた行動①が強化される」
このような仕組みになるのです。
例えば、「①英語をしゃべった→②相手に通じた、わかってもらえてうれしくてドーパミンが出る→③
さらに英語をしゃべる」
この強化サイクルを通らないと英語がうまくならないのです。日本語だって同じだったはずです。
「①子どものころ片言でしゃべり始める→②親に通じた。うれしい。→③もっとしゃべる」
こうやって日本語の回路が強化されていくのです。
ということは算数についても、算数の学力を伸ばすためには
「①算数の問題を解いた→②できた、ほめられた、うれしい。」という回路を伸ばしていけばいいので
す。
「できた→うれしい」
これはどんな学習や人生の学びにも言えることでしょう。
「①お酒を飲む→②気分が高揚する。楽しい」→「③お酒を飲むことはいいこと。もっと飲もう。」
これはお酒の強化学習。
「①誰かと目が合う→②目と目があった時うれしいと感じドーパミンがでる」→「③その人の目をもっ
ともっと見たくなる。」
これが恋愛の強化学習。
このように考えると、子どもの学習を定着させるには、学習の結果「うれしい!」と思わせることが
大切なんですね。家庭学習においても、できたとき、わかったときに、やっぱり親から、周りからほめ
られるとうれしいものです。
そうすれば、子どもは自らどんどん学習するようになるのです。
これは勉強の学習だけでなく、お手伝いや社会奉仕など生活上でも同じことがいえますね。
「①行動(学習)する→②できる、わかる、ほめられる。うれしくてドーパミンがでる。」
→「③もっとその行動をやりたくなる。」
この仕組みをうまく子育てに生かしてみて下さい。
最後までお読みいただきありがとうございました。
尚次郎

Vol.37 1月尚次郎の子育てコラム「やる気物質ドーパミンについて」