さて、今回は「通信表の見方」という題でお話しします。
子どものころ、通信表をもらうとき、ワクワクドキドキしたものです。
大抵結果はわかっていても、やはり気になるものでした。
それは、親も同じだと思います。
「今学期は、うちの子はどうかしら?」
その気持ちの裏側には、やはり「よい結果をもらってきてほしい。」という気持ちがあることでしょう。
それだけに(期待しているだけに)、どうしてもできていないところを見てしまいがちです。
そこで、子どもが通信表を持って帰ってくると、
「うーん、もっとがんばらないとね。」
「Cが4つもあるじゃない・・・」
と、どちらかというとマイナスに目が行きがちです。
子どものやる気は(大人も同じだと思いますが)どこからくるのか・・・。
それは「やればできるかもしれない。」
「やればできる。」
といった気持ちなのです。
それはマイナスをプラスに変えていくよりも、プラスを伸ばしていくほうが
子どものモチベーションはあがるものです。
ある小学校4年生の子(Hくん)が、先生から通信表をもらいました。
その子は普段から成績はあまりよいほうではありませんでした。
「きっと、今回もBとCばかりだろうな。」
そう思ってもらった通信表をあけてみると、
なんと図工にAが一つあったのです。
Hくんはよろこんでおうちに帰りました。
そしてよろこんで「お母さん、通信表もらってきたよ。」といの一番にお母さんに手渡しました。
通信表を見たお母さん
「まあ、Cが4つもあるじゃないの。2学期はもっとがんばってCをなくそうね。」
このときHくんの気持ちはどうでしょうか?
本当は「A」をみてほしかったのに・・・・。
Cが4つあったのは事実です。でもAが一つあったのも事実です。どちらに視点をあててほめてあげるか。
親は、評価者ではなく応援者(サポーター)なのです。
子どもが「やったー。よしがんばろう!」
と思えるような声かけをすべきではないでしょうか。
学校でもクラスの担任の先生がどちらのタイプかで、結果的に成績は大きく変わってきます。
プラスを見てくれる先生のクラスでは、子どもたちは安心し、チャレンジしていくので結果的に成績も伸びていくのです。
当然、そのようなクラスではいじめやけんかなどもおきません。
来週、子どもたちが通信表をもらって帰ってきます。
ぜひ、1学期子どもたちががんばったところを認めてあげて「できていないことよりも、できたところ」
をほめてあげてください。
できるようになったことや、伸びたところを見てください。
もしも伸びたことがなく、これまでと同じだったら、同じだったことをほめてあげてください。
現状を維持することって、結構、難しいことなのです。
それから、
「ここと、ここが課題だね。じゃあ残りの夏休み、これを頑張ろうね。」
と一つか二つの課題をお子様といっしょに作って下さい。
尚次郎