今回は、「子どもへの話しかけ方」という題でお話ししました。
今、パリでオリンピックが行われていますが、以前リオデジャネイロオリンピックの競泳で活躍した「萩野公介」選手のドキュメンタリー番組があっていました。
萩野選手は、みなさんもご存知の通り、これまでのオリンピックにおいて、メダルをいくつも獲得しま
した。
そんな、萩野選手もここに至るまで様々な苦労があったようです。
オリンピックまでには、その他の数々の大会があり、それに向けての強化合宿がありました。
そこで、多くのメダリストたちを育てた平井コーチが、萩野選手の休憩中の様子を見て、心配していた
ことがあったそうです。
それは、「仲間とのふれ合いがなく、孤立をしていたこと」です。
水泳とは、競技自体は個人プレーですが、練習はチームプレーです。
その時の取材において、萩野選手の言葉がこうでした。
「ぼくは、人に興味がないんですよ。人が何をしていようが、何を食べていようが、全く興味がありま
せん。」
その時の萩野選手は、成績が伸び悩み、スランプ状態でした。
「このスランプは、自分の力で乗り越えなくてはいけない。」
と、自分の中だけで葛藤し、自分一人で悩んでいたのです。
そんな時、共に合宿に参加していた先輩である「北島康介」選手とのある出来事がきっかけで
萩野選手は変わるのです。
練習している仲間に対して、かけ声をかけたり、休憩時間に仲間と談笑する姿が見られるようになりま
した。
その後の世界大会では、優勝し、タイムもこれまでよりも伸ばすことができたのです。
そして満面の笑みで表彰台に上がるのでした。
その時の萩野選手はインタビューでこのように応えています。
「金メダルは、金メダルを持てる器の人しか持てないと思うのです。だから僕はオリンピックで金メダ
ルを獲れるように、人間としても成長していきたい。」
その後の目覚ましい活躍はみなさんご存知の通りでしょう。
人は人の中で、人とのふれ合いで成長していくのです。孤独と思われる競泳でも、それは同じだったの
です。
子どもたちも同じです。人とのふれ合いの中で、身も心も頭の成長していくのです。
そういう意味では、親もわが子とのふれ合いで成長させてもらっているのかもしれませんね。
オリンピックで萩野選手が金メダル、瀬戸選手が銅メダルを獲った時のインタビューでは、
「だいや(瀬戸選手)がいたおかげで、金メダルが獲れました。」
と、競い合った仲間の存在に感謝し、切磋琢磨してきた仲間のことを讃えるコメントが印象的でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
尚次郎
Vol.44 8月尚次郎の子育てコラム