Vol12 2022.1.22 尚次郎先生のコラム

○ 1月22日 尚次郎の子育てコラム

いよいよ2022年がスタートしました。みなさんいろいろな思いで新年を迎えられたことと思います。

 

 私は、新年明けて、箱根駅伝を観戦するのが恒例です。今年のお正月もやはり観戦しました。

 毎年、多くの選手やそれを支える方から「勇気」をいただいています。

そこには十人十色の様々な人生ドラマがあり、その多くの人の想いがあの「襷」に「絆」そしてこめられているような気がします。

 今回は、数多くのエピソードの中から数年前の大会でのエピソードから思うことについてお話しします。

 駒澤大学に、馬場翔太という選手がいました。彼は、箱根駅伝で5区箱根の山登りの区間を任されます。4区の仲間から1位で襷を受け取り、颯爽と笑顔で箱根山に向かいました。

 しかし、箱根山を登り始め、急な気温の変化とプレッシャーから、急性の低体温症になり、足はつり意識がもうろうとし始めます。後続の青山学院大学の選手からは抜かれ、ふらふらとよろめきながら、今にも止まりそうになりながら・・・。それでも多くの仲間がこの1年間、この日のために頑張ってきた思いを無駄にしまいと、歯を食いしばり箱根の山を登っていきました。そして倒れるようにゴールします。

自分のせいで・・・。

 不甲斐ない自分と、チームの仲間への申し訳なさから「もう走るのはやめよう。」「陸上をやめよう。」とまで考えていました。

しかし、大会が終わって母親とともに郷里へ帰る道中、駅の改札を通るとき、それまで一生懸命育ててくれ、いつも自分を応援してくれたお母さんから一言、声をかけられるのです。

「最後まであの襷をもって走ってくれたあなたをお母さんは誇りに想うよ。」

 この一言で、馬場選手は「もう少し頑張ろう。もう一度箱根に挑戦しよう。」

と決意したそうです。

 馬場選手のお母さんは、わが子が突然降りかかった困難な状況でも、たとえ、ふらふらになりながらでも、最後まで走り切った姿を見てくれていたのでした。

 今年、馬場選手は8区で出場し見事区間2位の成績を残しました。

そして、彼が走る沿道には、やはり息子を見守り応援するお母さんの姿がありました。

 子どもは、母の一言で人生のどんな壁も乗り越えていく「勇気」を得ることができるのです。

それは、子どもを生まれてから今までずっと見守っている母の言葉だからこそだと思います。

 また、この年、優勝した、青山学院大学の原監督が言っていました。

「今年のチームに対して、昨年優勝してからというもの、何がだめなのか、何が足りないのか、できないことばかりを探していました。そして選手はいつもピリピリとし、イライラしていたのです。」

「しかし、先の大会で負けた時、気づかされました。これまでマイナスばかり見ていた自分がいたことを。」

「本当に大切なことは『何ができたのか』なのに『何ができなかったのか』ばかり考えていた。そして一番やってはいけないこと、前の優勝チームと比べて何がだめなのかを考えていた。」

「そこから原点に立ち返り、一瞬を楽しもうというスローガンを思い返し、今できていることを見るようにしました。」

 馬場選手のお母さん、そして優勝した青山学院の原監督さんに共通することは、プラス志向ということです。

 子どもたちに対する見方や言葉が、わが子に、そして選手たちに、どんな困難にも負けず、試練を乗り越え夢に向かって挑戦していく「勇気」を与えたのではないかと思います。

 この1年、子どもたちはもちろん、私たちにも多くの困難はあることでしょう。しかし、そんなときしっかり子どもたちのことを見つめ、冷静に子どもたちのことを知るとともに、『何ができているのか、何ができたのか』を見てあげてください。

 それは自分自身に対してもそうある1年にしていきましょう。

それでは皆様今年もどうぞよろしくお願いいたします。

最後までお読みいただきありがとうございました。

尚次郎

Vol12 2022.1.22 尚次郎先生のコラム