前回から「発達障がいについて」というお話をしています。
今回から「障がいをもつ子どもの子育てについて」をお話していきます。
まず今日は「生活習慣ー何でも食べる子に」です。
今、飽食の時代といわれ、たくさんの食べ物に溢れています。
昔は、食べ物の種類も量も少なく、食べ物を好き嫌いする余裕もありませんでした。
しかし、今の子どもたちは食べ物も、何でも選べる時代です。
小学校などの給食でも偏食が多く、「あれは食べない」「これも食べない」という子も多いようです。
親御さんからも、
「この子はピーマンやにんじんが嫌いで、全く食べません。」
といったことをよく聞きます。
誰でも好きな食べ物、嫌いな食べ物は多かれ少なかれあると思います。しかし、それが極端になると偏食になり、栄養の偏りが出て成長の妨げになるときもあります。
発達障がいや自閉的な傾向のあるお子さんは特に、感覚的な偏りがあります。
自分の味覚にあうものや感覚にあうものは好んで食べますが、そうでないと全く口にしないといった現状です。
「何でも食べられるようになってほしい。」
これは親御さんなら誰しも願うことでしょう。
では、どのように指導していくか・・・。
偏食の指導は子どもの状況や障がいなどの程度によっても変わってきます。
自閉的な傾向のある子は、乳児期の離乳食やお母さんとのかかわりが強いものです。
ある特定の野菜や魚などは食べないぐらいだったら、あまり注意することもありません。
直すにしても調理法などを変えて少しずつ慣れていけばいいのです。
しかし、ある特定のものしか食べないときは、少し根気のいる指導が必要になります。
○ いっしょに食べてみせる
よく小学校1年生の担任の先生は、子どもたちの前で、給食を食べます。これは、食べ方の指導もありますが、
「なんどもおいしいよ。」
「このにんじんおいしいね。」
などと声をかけながら、食べてみせるのです。
なかなか食べない子に
「食べるまで遊ぶのはお預けです。」
なんていっては、食べるのが苦痛になっていきます。
いっしょに食べる。そして「おいしいね。」と声をかけてあげる。
これを根気よく行うことで、嫌いなものにも興味を示し
「少し食べてみようかな。」
となっていきます。(1日2日ではなく、1か月、半年、1年ぐらいがんばってください)
「いろいろな食べ物があって、それぞれに味があっておいしい。」
という思いは、その後の人間形成にも大きくかかわってきます。
偏食は、栄養的な面だけでなく、性格や行動への偏り、狭さにもつながるのです。
これは障がいをもった子どもだけにいえることではなくて、全ての子どもにあてはまることかもしれませんね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
尚次郎